なぜ自律神経は鍼で整うのか?自律神経失調症(更年期)と東洋医学の考え方
こんにちは。
ブログをご覧いただきありがとうございます!
今回は、先日お伝えした自律神経の不調から続いて、更年期についてお伝えします。
そもそも自律神経ってなに?
自律神経は、体内の様々な生理学的機能を調節し、内部環境を安定させる役割を果たしています。自律神経は主に交感神経と副交感神経から構成され、これらが相互に働き合って様々な生体機能を制御します。
以下は、自律神経の主な働きのいくつかです。
1. 心臓の調節:
– 交感神経: 心拍数を増加させ、心臓の収縮力を強化します。
– 副交感神経: 心拍数を減少させ、心臓を休息状態にします。
2. 呼吸の制御:
– 交感神経: 呼吸を促進し、酸素供給を増加させます。
– 副交感神経: 呼吸を鎮静化し、リラックス状態にします。
3. 血圧の調整:
– 交感神経: 血圧を上昇させ、血管を収縮させます。
– 副交感神経: 血圧を低下させ、血管を拡張させます。
4. 消化器官の活動の制御:
– 交感神経: 消化を抑制し、血糖値を上昇させます。
– 副交感神経: 消化を促進し、血糖値を安定させます。
5. 瞳孔の調整:
– 交感神経: 瞳孔を拡張させます。
– 副交感神経: 瞳孔を収縮させます。
6. 発汗の制御:
– 交感神経: 発汗を増加させます。
– 副交感神経: 発汗を抑制します。
7. ストレス応答の調整:
– 交感神経: ストレス応答を活性化し、「戦うか逃げるか」の反応を引き起こします。
– 副交感神経: リラックス状態を促進し、ストレスから回復させます。
これらの機能により、自律神経は体温、血圧、心拍数、消化、代謝などの機能を調整し、運動をしたり体を休ませリラックス・回復させるなど、さまざまな状況に適応させます。交感神経と副交感神経は対照的な作用を持ち、バランスが崩れることで様々な健康問題が発生する可能性があります。
自律神経が乱れる?失調症ってなに?
あまりに長期間、あるいは強度のストレスが重なると、自律神経に乱れが生じ、常に緊張状態であったり、どうしても「やる気がでない」「だるい」などの反応がでます。
全身的症状としては、だるい、眠れない、疲れがとれない、などの症状を感じます。
器官的症状には、頭痛、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。
さらに精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。
原因は不明瞭ですが、緊張状態が続く、いわゆるストレス状態が続いたり強いとなりやすいようです。また、特にいわゆる責任世代とも言われる40代以降、年齢を重ねるごとにこのように自律神経が上手く機能しないことがあります。
単純に、ストレス・緊張状態が続いているだけかな?
と軽く考えている方もいらっしゃいますが、じつはここに性ホルモンが関わってくることもあるのです。
更年期障害ってなに?
あなたは更年期と聞いて、「女性だけのもの」と勘違いしていませんか?
それは全くの間違いです。
厚生労働省が提供している情報では、「男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状をまとめて更年期障害と呼びます」と定義しています。
つまり、更年期症状は性ホルモンの減少によって女性だけでなく、男性にも見られることがあります。男性におけるこの状態は一般的に「アンドロポーズ(andropause)」と呼ばれます。更年期症状は、自律神経失調症と似たようなものになります。
以下に、男性と女性で見られる主な更年期症状を示します。
女性の更年期症状:
1. ホットフラッシュ(ほてり): 突然の全身の熱感、発汗、ほてりが起こります。これはエストロゲンの急激な変動に関連しています。
2. 不規則な月経: 月経の周期が不規則になり、経血量が変動することがあります。最終的には月経が停止します。
3. 睡眠障害: 眠りが浅くなり、夜間の目覚めが増え、寝つきが悪くなることがあります。
4. 気分の変動: 不安、イライラ、情緒不安定が生じることがあります。これはホルモンの変動と関連しています。
5. 性的な変化: 性欲の低下や性的な快感の減少が起こることがあります。
6. 膣乾燥: 粘膜の乾燥が生じ、性行為の際に不快感が生じることがあります。
7. 骨密度の低下: エストロゲンの減少に伴い、骨密度が低下しやすくなり、骨折のリスクが増加することがあります。
男性のアンドロポーズ症状:
1. 性的な変化: 性欲の低下、勃起障害、射精の困難などが生じることがあります。テストステロンの低下が影響しています。
2. エネルギーの低下: 疲労感やエネルギーの低下が感じられることがあります。
3. 筋肉量の減少: 筋肉量が減少し、筋力が低下することがあります。
4. 体脂肪の増加: 脂肪の蓄積が増加し、特に腹部における内臓脂肪が増えることがあります。
5. 骨密度の低下: テストステロンの低下により、骨密度が低下することがあります。
6. 睡眠障害: 眠りが浅くなり、夜間の目覚めが増えることがあります。
7. 気分の変動: 不安、イライラ、情緒不安定が生じることがあります。
8. 集中力の低下: 記憶力や認知機能が低下することがあります。
男性のアンドロポーズ症状は、女性の更年期ほど急激ではなく、また個人差も大きいです。一部の男性は症状を全く感じないこともあるようです。しかし、更年期症状は自覚がない、あるいは非常に軽視されやすいかもしれませんが、生活や健康に影響を与える場合は、計り知れません。医療機関への受診はもちろん、専門家と相談し、適切な対処法や治療法を検討することが重要です。
なぜ鍼で自律神経が調整できるのか?
東洋医学では、上記の自律神経失調のような状態を「肺」や「肝」、もしくは「腎」にあると考えます。いずれも、過労が続き疲労困憊、生命力を酷使した、寝不足やイラだちのピークを迎えている状態、というとわかりやすいかもしれません。
昔から手足や背中、そして頭皮などに鍼治療をすることで、眼精疲労や肩こり腰痛だけでなく、お身体全体の不調を整えてきたのが東洋医学です。
現在、医学的・科学的にも研究が進められており、鍼治療によって以下の3つの変化が起きることがわかっています。
1. 脳内伝達物質の増加:鍼治療によって脳内伝達物質であるセロトニンや、ドーパミンが増えることがわかっています。背側縫線核や線条体などを中心に、セロトニン量が増加することでお薬を併用しつつ、鍼治療で不安や痛み症状をコントロールできる可能性があります。
2. 全身の血流量の増加:鍼灸治療を行うと、軸索反射、フレア反応などによって血流が増加し、酸素ヘモグロビン濃度が増加することがわかっています。
3. 脳内血流量の増加:全身の筋肉や皮膚だけでなく、脳内血流も増加することがわかっています。つまりこれは、脳疾患だけでなく加齢から来る認知(失認)症状やパーキンソン病などへも効果が期待できるため、研究が進められています。
ちなみに、脳疾患については、古く紀元前2,000年前の『黄帝内経』という古文書レベルの文献にも記載されています。その頃から、様々な鍼灸医術が存在しており、昨今そうした手法の有効性、そして科学的エビデンスの測定が少しずつ進んでいる最中と言えます。
こうした目に見えない変化を、古来の人々は「気の流れ」といった概念によって理解・説明していたのかもしれません。
実際の治療としては、脈診や腹診などを通して「肺」「肝」、もしくは「腎」 のどこに不調があるのかを見極めていきます。
臨床的なことを言えば、そのどれもが不調をきたしており、より状態が深い(わるい)ところから対処する、ということはよくあります。
ですから、治療が進むと1番のお悩みが気にならなくなり、2番目3番目に気になっていた症状がひどく感じてしまう、なんてことも珍しくありません。
まとめ・東洋医学(当院)の特徴
一般的に医療機関での治療は、症状に対して万人に共通して有効なエビデンスのあるものが確立されています。薬物療法や生活指導などがそれですね。
しかし、東洋医学の視点からすると、似たような症状であっても一人一人その発生機序が異なる場合があるため、いわゆる西洋医学だけの考え方では身体構造や人のこころ・感情といった心理面を理解したり、起きているお悩み現象を説明できなかったり、根本解決に至らないことも多くあります。
当院では、腰痛は筋肉・骨格・神経の炎症反応ということを前提に、免疫力つまり血流循環や自律神経など、体内のエネルギー・バランスの乱れが起きていないか捉えることも大切にしています。
何事も、1つだけの視点では誤解や勘違いが起きてしまいますが、2つ、3つと視点を重ねてみることでより正確に物事の事象を捉えることができます。
そうすると、より問題解決が正確かつ迅速に行うことが容易になります。
当院の腰痛改善率はじつに91%、Googleクチコミは5段階で4.8と大変ご好評をいただいております。
それはただ表面だけでなく、血流循環や自律神経など、お身体深部のエネルギー・バランスの不調を同時に調整しているからです。
今後も、みなさんの健康を第一に考え続ける、【心と身体の生涯パートナー】として頑張ります!
何か気になったことがあれば、お気軽にご相談ください!
《あなたの人生をより豊かにする》
「心と身体の生涯サポーター」
Olive Garden 鍼灸整体院
Tel:050-3595-5217
院長 渡邉聖矢
引用文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/56/3/56_146/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/59/1/59_83/_pdf/-char/ja
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002236394068381
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/2303
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/58/5/58_5_742/_pdf/-char/ja
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/052111294.pdf
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html